突然ですが。
スランプに陥ったけど、よく言われる「目が肥えたから」っていうのはちょっと違うなあ、って思う事ないですか?
スランプにも種類があって、本当にイラストが下手になるスランプもある、という事をお伝えしたいと思います。
そしてその脱出法をいくつかの視点から考えていきたいと思います。
一定の割合のスランプはやる気の低下から引き起こされる
実際に下手になる、というスランプの実例を示したかったのですが、僕はスランプになるとイラストを完成させられなくなるタチなので、比較対象が残っていません。
なので、オール文章で説明していきたいと思います。ここでは理屈だけ持ち帰っていただいて、スランプになった時(現在進行形の方は今)解決法とその考え方を頭のどっかにでも持っていただければと。
結論から申しあげますと、実際にイラストや絵が下手になってしまうタイプのスランプは、「やる気=モチベーション」が低下し、普段の技術をモニターやタブレット、紙の上に表現できなくなり、手癖だけで描かざるを得なくなる状況なのではないかと。
結果として、イラストは下手になっていないのに、短期間で完成度が落ちてしまうのです。
このスランプの場合、一目瞭然で自分の絵が下手になったと感じられます。
こうしたスランプになった人に向けて、解決法を書いてみたいと思います。
解決法=模写・資料をしっかり見ながら描く
また結論から申し上げます。模写、あるいは資料にかなり寄せてイラストを描くというのが結論です。
さきほどの「手癖でしか描けない」という部分にかかってくるのですが、要は手癖の下手さを資料でカバーしよう、ということです。
もちろん、完成イラストはトレパクにならない範囲で活動に使ってください。あまりに参考資料に似ているようなら公開は控えた方が良いかもしれません。
なぜ資料に寄せた方が良いのでしょうか。それは、自分の下手さにうんざりしてさらにモチベーションが下がるのを防ぐ意味があるからです。
手癖で下手にしか描けないと絶望しかないわけです。自分がそうなった場合を考えてみてください。八方ふさがりでしかないでしょう。
そんな時、天から下がるクモの糸、文字通り命綱となるのが資料なのです。
資料をしっかり観察しよう
資料を見ながら描けば、それもほぼ模写って感じで描けば、下手なりにも満足度は上がるはずです。
ここでそれなりにも描けないのは、根本的な観察力やデッサン力の低さによるものですので、ちょっとずつでも人体デッサンを練習すべきです。
話は戻り、たとえば顔が描けなくなり、参考資料のパーツの形や位置を参考にするとします。
僕の場合、顔のパーツが特に苦手で、位置も形もわからなくなることがそれなりにあります。
ですので、資料と同じ向きになるようにイラストを調整し、顔のパーツの顔面内での位置を詳細に観察し、補助線を引きました。
さらに顔面内での各パーツの大きさと位置の比率を参考資料から調べ上げ、そのまま自分のイラストに落とし込んだのです。
結果として顔が参考資料そっくりのイラストにはなるのですが、実力以上に上手く描けたので、モチベーションが一定程度戻ってきました。
解決法を考え出したきっかけはいつものお絵描きルーチンに飽きたから
やる気がなくなるというのは、ルーチンに飽きたから、と言い換えてもいいのかもしれません。
飽き性なのでいつも違うキャラを描いているのですが、それでも飽きは来てしまうもの。
結果として、モチベーション低下=下手になる、と相成りました。
数日間この状態が続いたので、「いい機会だ、下手だった顔のパーツを練習しよう」と、模写をするように資料を利用したところ、実力以上のものが描けてたちどころにモチベーションが戻ったのです。
こういった、小さなスランプにはこの解決方法は向いていると思います。
イラストを下手だと罵られたとか、家庭が荒れているとか、もっと大きな、創作の土台を揺るがすようなスランプには効かないと思います。
もう一つの解決法として・・・
さて、モチベーションの下がるスランプを別の側面からも見てみましょう。
スランプの解決策としてたまに言われているのが、しばらくイラストから離れてみよう、というものです。
イラストから離れてみることで、結果として頭がリフレッシュされて結果的に画力が上がる、というものです。
これ、下手が元に戻るんじゃなくて、画力が上がると言っているんですね。
これだけだと、僕は説明不足に感じました。
なのでもうちょっと考えてみます。
解像度?
よく、イラストだけにかかわらず、上達すること=解像度が上がる、と表現する人がいます。
画力が上がる原因、実はこれなのではないでしょうか。
もっと踏み込んで説明すると、イラストから離れることで物理的かつ精神的に自分のイラストを客観視できるようになり、粗やデッサン崩れに気づけるからなのではないかと。
ここで言う「解像度を上げる」には、パソコンで言うところのドットがきめ細やかになり、見やすくなるという意味。
そして物事の本質がしっかり見えるようになるという、実際的な意味もあります。
自分のイラストに視点が近寄りすぎると、実際に画面に近づいてイラストを見るのと同じく、細かいところはよく見えるがそれが全体の中でマッチしているのか、正しいのかわかりづらくなることはご理解いただけると思います。
適度にイラストから離れて眺めることで、デッサン崩れに気づけることもあるでしょう。
それと同じで、イラストから自分を物理的・精神的に離せるからこそ、休むことが結果として上達に繋がっているのではないか、という仮説でした。
そもそもスランプに陥らないためには
これらを踏まえ、スランプに陥らないための戦術を考えてみます。
基礎。これこそが最大にして、もっともつまらない答えです。
基礎とは、人体デッサンの基礎を勉強することです。
つまらないでしょうが、一番効くのではないかと。
やはり、パーツの顔面内での位置や比率を知っていると、そこから引き算足し算してアレンジすれば結果として完成度の高いイラストが完成するわけです。理屈上は。
それを実際に行動に起こせれば、スランプに陥りかけた時も「顔のパーツの比率はこうだったなあ」と思い出して、手癖=基礎が能力高いですから、スランプを防げるのではないかと思うのです。あくまで仮説ですが。
もちろん、それでいいねが増えるかというと微妙
むしろ減るかも。
基礎が上がることで画力が上がるでしょうが、タッチが変わってファン層が変わって定まるまでの一定時間はいいねが減るかもしれません。何とも言えないところです。
上達には避けて通れない道かと思います。
長々と、お付き合いいただきありがとうございました。
人体デッサンやるかなあ・・・(遠い目)
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